不思議な夢を見た。鮮烈だった。
日本のジプシーである
山窩民族(さんか)の音楽CDが製作されて
どこかのその儀式に紛れ込んだのだ。
突然、豊田勇造が山窩(さんか)たちの打ち出すリズムだけを頼りに
聞いたこともない幽玄なグルーブで意味不明なことを歌いだし
音楽が空間に広がり人々がパントマイムのように自由勝手に
振りをつけて奇妙に踊る。
俺も何かに支配されたかのように動いていた。
すばらしい瞬間だった。
終わるとそこにいる皆が手をたたいて涙ながらに互いを讃えあった。
かって学生だった頃、千本通りには市電が走り、古本屋がたくさんあって、
友人の一人がその『山窩民族』のことを古本屋を廻り、必死に調べていた。
俺自身、10年ほど前、バイクで滋賀と福井の間あたりの山間部をうろついていて
木地師の村らしき集落に迷い込んでしまい、
そこのあまりの静かさに身が震える思いをしたことがある。
竹の籠や木を彫って作った容器などを見るとよくその時のことを思い出す。
これは何かの啓示だろうか?